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7 短大を4年制大学に

 平成10年(1998)4月に就任された七戸長生短大学長に私は名寄市民の市立短大に寄せる期待、学内における自己点検、将来構想検討作業の状況について話をし、早急に学内の検討をお願いしました。七戸学長から(1)大学改革の予測の難しさ(2)自己改革の難しさ(3)地域の支援、賛同が得られるかなどについて現状認識と課題について意見交換もしました。平成12年4月から短大事務局に振興計画室を設置して準備作業を進めました。

 平成12年5月に市内有識者による「短大将来計画検討会議」を設置しました。委員には名寄青年会議所田村理事長、市教育委員菊池委員、名寄高校星野校長、錦町郵便局松崎局長、短大講師尾崎美千代先生、名寄保健所粟井所長、市総合計画推進委員会梅野会長、利雪親雪市民委員会藤田委員長、名寄短大同窓会山崎会長、短大村本教授の10名を委嘱し、同年12月まで10回の検討会議。この会議には随時短大教員で構成されていたワーキンググループの代表も出席して検討に必要な資料の提供や説明を受けました。

 検討会議には外部の意見として全国公立短大協会高木茂次参与、北海道大学木村純教授、北海道医療大学広重力学長を招いての意見交換も行い、多くの示唆をいただきました。まとめとして現状短大のままでは学生募集が先細りする。4年制への再編を体力のあるうちに取り組むことが必要との答申を受けました。

 平成13年4月に市役所幹部職員と短大内企画推進メンバーによる「将来構想作業委員会」を設置。市議会へは議員協議会を開催して内部検討の状況などを報告し、多くの意見をいただき、構想が固まる中で名寄市の財政力で大学改革再編が可能かについて論議が集中するようになってきました。これまでも児童学科新設、看護学科開設などの経験がありましたが、4年制への再編は大量の作業量とノウハウが必要でコンサルタントの支援を受けなければ無理と聞かされました。コンサルタントの責任の限界や財政負担も考えて過去の学科増設時の教職員の力を結集してのクリアをいま一度頑張ってほしいと担当教職員を激励、幸い北海道大学事務局幹部職員で退官後民間大学に勤める有識者を嘱託として迎え準備作業をリードしてもらいました。

 また市の広報紙を通して名寄短大の将来構想について市民理解の特集も発行しました。 

 短大の4年制化への市の財政負担増は、学舎の増改築、学生の4年生まで充足される期間の授業料の収入が課題となりました。当時の短大運営に対する収入内容は学生の納める授業料など30%、地方交付税で国からの支援55%、市一般財源15%となっていました。4年制に再編出来ると、大学生が納付する授業料50%、地方交付税による国の支援45%、市一般財源5%と短大運営と比較して自立度が高まることが試算できました。

 当時の小泉内閣の聖域なき構造改革で地方交付税も削減が続き、私も総務省の地方交付税課長から展望などの見解を聞いて市議会の特別委員会審議に備えました。国からは4大化の市民合意の形として市議会の決議を求められました。市議会では4大化に伴う負担増の問題、大学生の数の増加による市内経済に及ぼす影響など議論が繰り広げられました。財政負担抑制の方策として大学校舎の一部に旧恵陵高校の再利用なども提起されました。その活用については大規模な内部改修が必要で財源手当も課題でしたが、国に対し「大学による地域づくり」の提案を申し出て、旧恵陵高校の改修に対して有利な起債が認められました。名寄市は平成14年4月に過疎地域に指定を受けましたので4大化に伴う校舎整備などに過疎債を活用出来ないか総務省に掛け合っていました。 

 過疎地指定には人口と財政力の2つの要件があります。人口要件は国勢調査による人口の減少率が25年間で19%以上となっています。名寄市はこれまで幸か不幸か過疎の指定から外れていましたが、1975年から2000年までの間に21%の人口減となりました。財政力要件では財政力指数0・42以下が基準のところを2000年度名寄市の決算で0・296と下回っていました。過疎法の制定が議員立法により成立した法律で大学校舎の整備などに充当するケースは想定していないため充当はかなわないことになりましたが、「大学による地域づくり」の認定により、過疎債に次ぐ有利な起債の活用ができ、市民の寄付金、行政職職員、特別職職員の給与、期末手当の削減で財源をねん出、協力頂いた職員の皆さんに感謝しています。

 平成16年4月、大学設置準備室を設置し、文部科学省、厚生労働省、総務省や北海道との協議、教員確保にスタッフの総力を挙げた頑張りで平成17年12月5日文部科学省より大学設置の認可を受けて平成18年4月開学を迎えることができました。

[ 2011-10-28-19:00 ]

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