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2004年7月12日付

軍管轄の茶葉販売所

第4回

 3日目、いよいよ龍井茶を手に入れるために西湖に向かいました。本当は汽車に乗って地元の人たちと触れ合いながらと思ったのですが、交通事情の不安定さと時間の無いこと、言葉の通じないことなどを考えて車、ドライバー、ガイドをチャーターしました。

 このころになると、私たちが乗っている車の中では、妙な中国語が飛び交い始めました。人間は必要なことは覚えるんだという良い例が、佐藤の覚えた一言で「ツゥソァ」。実はこれトイレの事です。どこに行っても佐藤の完璧な発音の中国語は私たちにトイレを教えてくれました。一方、寺町は「幼少の頃、少々…」と繰り返し始めていました。

 どうやら「ヨウショウ(右手)」「ショウショウ(左手)」を記憶に留めようとしていたらしく、ガイドさんや中国語を知っている人が見たら「トイレ」「右手」「左手」と意味も無く言い続けている妙な集団だったろうと思います。結城は、ハングルに続いて中国語も身につけようと決心したようです。私はと言えば、英語担当として中国語を覚えようともせず、ホテルのフロントなどでは伝えたいことを伝えて役目を果たしておりました。

 西湖は観光地として有名な場所で遊覧船や遊歩道、お土産屋さんなどが色々あり、地元の人や中国国内の人が遊びに行く場所の様だったのですが、私たちは一路、日本にいる内にガイドブックで見つけていた「茶葉博物館」に向かいました。

 なんとガイドさんも私たちの要望でやっとそんな博物館があることを知り、日本のガイドブックの情報量には脱帽でした。博物館の周りは、山を切り開いたような狭い場所にも茶葉が作られ、畠の中で茶を摘んでいる地元の方の姿も見え、ここでこうして作られている茶を道北の名寄で私たちは提供するんだと新たな想いを持つことが出来ました。

 博物館の中ではガイドさんも見学者になってしまい、1つ1つの展示物にとても興味深そうに見入っていました。私たちの手に入れようとしている西湖龍井茶は、古くは清代の皇帝にも貢茶されていた歴史のあるお茶で、中国4000年の歴史とよく言いますが、中国茶は6000年の歴史を持ち、世界各国にある茶の全てのルーツだそうです。

 昔から保存されてきたプーアル茶などを見ながら、私たちが健康をテーマに中国茶を提供したいと考えたのは間違いなかったことを実感しました。その後、一番の目的だった茶葉の買い付けのために、茶葉を売っているところに案内して貰いました。そこでちょっとびっくりしたのが、軍管轄の販売所だったと言うことです。

 上海で数日過ごしてもこの国が日本の民主主義とは異なる政治思想で動いている国とは実感していなかったので、軍管轄という文字はとても驚きでした。中での販売は一部屋に一グループで、販売員が一人付いて何種類か茶葉で茶を入れてくれると言う方法でした。

 よくある話ですが、私たちが買う気でいることが分かると、徐々にランクを上げて高いお茶を買って貰おうとしているのは勿論伝わってきました。でも、そんなことより何より普通にガラスのグラスに一見、雑に煎れているお茶が本当に美味しいのです。ここで私たちは、冷暗所に保管することで香りも味もそれほど落ちないということを確認して1年分の龍井茶を仕入れました。この文章を皆さんが読んで下さっている頃にはもう「茶房・かれんと」のメニューに載っているはずです。目的を終えて少しだけ西湖の湖畔を散策して私たちは上海に戻りました。

(写真=西湖にある国営の茶畑)

 猪原ひろみさんは、精神障害者の雇用の場である茶房「かれんと」(名寄市西1南7)を運営する、カレントハウス運営委員会代表。店で提供する茶葉の購入に、5月5〜9日まで上海へ行った様子を伝えてもらいます。

[ 2004-07-11-23:50 ]

 
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2004年7月

第1回「茶器と茶葉を求めて」
第2回「メニューが読めない」
第3回「茶葉は安く味も最高」
第4回「軍管轄の茶葉販売所」
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