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2004年8月2日付

福祉へ向かう力に

第7回(最終回)

 余談ですが、茶器を購入した時、また値引き交渉をたっぷり楽しむことができました。最初の値段の65%くらいで購入したというと、どのくらい楽しんだかお分かりいただけると思います。あまりにも私の決め方、買い方が大胆だったのでしょうかね?店の人が在庫を調べたり、1個ずつ詰めている間も疲れたのでさっさと外に出て休んでいたし、店に残った結城にお店の方が「あれはあなたのお母さんか?」と真顔で聞いていたようです。そんなに貫禄があったのでしょうか?買い込んだ物をホテルに置いて、最後の晩だからと有名な上海雑技団の公演を見に行きました。テレビでは良く目にしますが、やはり本物は迫力ですね。もし、上海に行かれることがあれば、ぜひ本物をご覧ください。

 最後の晩は、翌朝早い出発だったので4人そろって荷造り三昧でした。気が付くと当初1人1個ずつでほとんど中身のないスーツケースだけだった荷物が1人最低2個、茶器や小物は瀬戸物が多く、全部手荷物にするしかなかったからなのですが、寺町のスーツケースはなんと40キロ近い重さになってしまいました。その上、4人いるのに私は椎間板術後半年たっていないからと、私の荷物だけ軽くしてくれた結果、結城までが珍しく随分、重たい荷物を持つことになりました。荷造りを終えたのが午前0時…ほとんど寝てない状態で迎えの車に乗って私たちは3泊を過ごしたホテルを後にしました。

 さて、この忙しい旅行の中で、私たちは何をお土産に帰ってきたのだろうと改めて考えると、勿論目に見える物は色々あります。1つには美味しい龍井茶、そして可愛らしい緑茶用茶器。中国に行かないと買えないと思われる物産。ただ、それ以上に大切な目に見えない物が私たち4人の心の中に残ったように思います。私たちが多くの協力を得て、中国茶専門店「茶房・かれんと」を開店しました。その仕事だけに専念せずに店を1つ運営すると言うことは、生活の糧として店を経営している方たちにとっては、商売を甘く見ていると怒られるだろうと思います。でも、今回の上海行きを力にして、私たちは今まで以上に時間をやりくりしては店を多くの皆さんに知ってもらい、名寄で中国茶に親しんでいただけるよう努力を続けていこうと思います。末長く皆さんに愛されることが開店に協力してくださった方々の気持ちに応えることだと思うからです。もう1つ、今回4人が上海で過ごした何日かは、私たちにまた福祉に向かう力をくれたような気がします。私たちや「かれんと」に関わる一人一人が生き生きと過ごすことが、福祉に向かうエネルギーとなり、また別の誰かと出会って新しいことが始まるキカッケになっていくような気がします。私たちの想いの中には、いつかサポーター無しで当事者が新たに仲間を雇用しながら店を運営してくれないだろうかと言う気持ちがあります。勿論、私たちは周辺に常にいて、彼らが困ったときに彼らが自分たちの力で困難を乗り越えていけるようなサポートは続けるでしょう。

 この文章を読んでくださった皆様が、「かれんと」で中国茶に親しみ、その楽しさを提供しているのが障害者と呼ばれている人たちとそれを支えているサポーターと呼ばれるボランティアであることを少しだけ感じてくださるとうれしく思います。

 さて、あと数カ月で季節は秋。どうやら10月には台湾で凍頂烏龍茶の新茶の時期がやってくるようです。そう言って私がニコニコすると、側で寺町が「またですか?」と困った顔をしています。「かれんと」では秋頃また新茶が増えるかも、楽しみにしていただければと思います。まだまだ目が離せませんね!

おわり

(写真=西湖を背に4人で記念撮影)

 猪原ひろみさんは、精神障害者の雇用の場である茶房「かれんと」(名寄市西1南7)を運営する、カレントハウス運営委員会代表。店で提供する茶葉の購入に、5月5〜9日まで上海へ行った様子を伝えてもらいます。

[ 2004-08-01-19:00 ]

 
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2004年8月

第1回「茶器と茶葉を求めて」
第2回「メニューが読めない」
第3回「茶葉は安く味も最高」
第4回「軍管轄の茶葉販売所」
第5回「ペットボトルを集めて」
第6回「豫園はお祭り騒ぎ」
第7回「福祉へ向かう力に」
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