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2004年4月26日付

友人と島へピクニック

第15回

 ピーターは食べる方だが、私の半分くらいだ。今では私も胃が小さくなり、ピーターと同じくらいで満足できる。これは生活習慣の差かもしれない。ライスを主食にすると、胃が大きくなるのだと私は思う。
  オーブンとグリルと、4個のガスレンジから成るクッカーマシンはどこの家庭にもあり、スーパーにいくとキャセロールに味をつけるための、様々なペーストや粉末のグレイビーが売られている。これらを利用すれば、どんなに料理が下手で味付けが下手な人でも、そこそこの料理は作って食べられるわけだ。
  ただ、私が作る程度の料理や外国の料理は一般家庭では作られず(作れない)、それらはレストランで食べるのが普通である。日本の主婦みたいに、和食から中華、洋食、カレーとなんでも作れるわけではない。日本の食文化は幅が広いといつも思う。
  日本人は好気心が強い民族であると常々感じる。海外旅行者はアジア人では日本人がダントツに多い。これは経済力や国の政策に左右されるが、日本人の気質的なものも大いに関係しているものと思われる。
  スイスも同じように小さな国ながら、どこでもスイス人旅行者を見かける。ドイツ人も旅好きだ。イギリス人とフランス人は冒険好きである。旅というものは無形であり、冒険や旅にいくらお金をつぎ込んでも終わったら消えてしまう。車や服とは違う。形のないものにお金を使うのだから、かなり精神的なプレッシャーである。それ故に気質というものが、反映されやすいのであろう。
  10時すぎにピーターとジュデイに連れられてピクニックに行った。ホバートから南へ40キロくらいの所にある細長い島で全長が50キロくらいである。車で1時間くらい走って岬からフェリーでサウスイースト島に渡った。このフェリーは無料で、30〜60分毎に出ている。
  島は牧羊が産業らしく、牧場と山と海岸からなっている。途中、ペンギンが夜になると海からやってくるビーチを見た。お昼、キャプテンクックが上陸したと言われるアドベンムャーベイでお昼にした。
ビーチのテーブルに箱を置いた。中にはパンとハムとチーズ、それとリンゴにアボガドが入っている。ジュデイが手早くサンドイッチを作ってくれた。魔法瓶のお湯で紅茶を入れ、サンドイッチを食べた。そのあとこの島に住む芸術家達の作品展を村の小さな学校?の中でみた。私には今いちだった。
  車を置いて、デイパックを背負ってハイキングした。ビーチ沿いの深いユーカリプスの巨木の森を歩いてフルテッド岬へ行った。このあたりの海岸は昔は、江差のニシン場みたいに多くの飯場が建ち、漁民がクジラを獲って油をしぼっていたらしい。100年くらい前の事だ。でも跡形もなく、海だけがあった。
  「夏草や強者どもの夢の跡」。そんな感慨が胸の中に広がった。海だけしか残っていないというのは寂しい。知らなければ、そのまま通りすぎてしまう海岸だ。

(写真=美しいホバートの街並み)

著 者 紹 介
 栗岩英彦さん(59)の「オーストラリア自転車の旅・パートU」をシリーズで掲載します。栗岩さんは長野県出身。東京農大卒。会社員生活のあと「世界一周の旅」を目指しインド、アフリカ、アフガニスタン、パキスタン、ヨーロッパ、南アフリカなどを訪問。平成3年下川へ。7年から北町でレストラン「モレーナ」経営。14年2月から4月までオーストラリアのタスマニア島(州)を自転車旅行。同島は北海道とほぼ同じ面積。旅行記は同島に近い小さなフリンダース島から始まる。

[ 2004-04-25-17:00 ]

 
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2004年4月

第1回「旅先で知り合い食事」
第2回「大魚に戦いを挑む」
第3回「村に1軒のレストラン」
第4回「友人と別れ、また一人旅」
第5回「冒険小説そっくりの船」
第6回「イースターで大移動」
第7回「シドニーの肉食文化」
第8回「ジュディとの再会」
第9回「海を見下ろす丘の家」
第10回「10年ぶり体重10キロ減」
第11回「ガラクタ市楽しむ」
第12回「キャンプ地にごみなし」
第13回「パブでビールと音楽を」
第14回「簡素なピーターの朝食」
第15回「友人と島へピクニック」
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