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2004年2月23日付

海を見下ろす丘の家

第9回

今は、見渡す限りの牧草地になっている。「山中所々、ハゲ山になっているのはロキング(伐採)のせいよ。このあたりはレッドネックが多いのよ」とジュデイが言った。
 「レッドネックって何ですか?」と聞くと「金の亡者のことよ、成金、金のためならなんでもやるの。木をどんどん切って売ってるの。自然破壊もいいところよ」「政府は黙って見てるんですか、人々は反対しないんですか?」と聞くと、「そりゃ、反対運動もしてるけど、私有地だから、どうにもならないのよ」とジュデイは、はきすてるように言った。レッドネックとはうまいことを言うもんだと感心した。
 「日本にもそういう連中がいますよ。確かに首が赤いし太いネ」と私が言うとジュデイが笑った。ロンセスターとホバートを結ぶ道路は一級国道であり、幹線道路だから、すごい交通量を予想していた。しかし、実際には車は少なく、まるで田舎道を走ってるみたいだった。
 サイクリングロードが両サイドにあり、これならサイクリングしても大丈夫だろう。日本でいうと、北海道の旭川以北の国道並みである。ドライブも楽しい。途中、ロスという田舎町に立ち寄って休んだ。静かで、古くて落ち着いた小さな小さな町で石造りのタウンホール、木造のホテルやカフェも英国風で、それも一昔前のたたずまいで気に入った。
 今度来たら、このホテルに泊まってみようと思った。タウンホールの横とか裏には必ず公衆の水洗トイレがある。そこで用を足し再び国道に出てホバートに向った。途中で給油した。ガソリン(ペトロール)は1リッター95セント(70円弱)である。それでも高いとジュデイはこぼした。
 国道では時速100キロで走るのが当り前なので、私には車が飛んでいるように感じられる。夕方、4時すぎにピーターとジュデイの家に着いた。海を見下ろす丘の中腹にある、シックな大きな平屋だ。今年の1月に買ったばかりの中古住宅。バスルーム、トイレットが2組ずつあり、部屋が5つ、1つは大広間で、他に広いシステムキッチンがある。暖炉も2つある。
 キッチンは非常に使いやすく感心した。他にピーターがビールを作って、冷やしてる部屋もある。裏庭は植物に囲まれ、野外テーブルとイスがあり、バーベキュー用のカマドが設けられている。ここで時々、お茶を飲んだり、食事をしたりする。私には一室が与えられている。快適だ。ピーターは山に行って数日間、会えない。久々に入浴して体を洗いリフレッシュした。

(写真=ピーターとジュディの新居は丘の上に)

著 者 紹 介
 栗岩英彦さん(59)の「オーストラリア自転車の旅・パートU」をシリーズで掲載します。栗岩さんは長野県出身。東京農大卒。会社員生活のあと「世界一周の旅」を目指しインド、アフリカ、アフガニスタン、パキスタン、ヨーロッパ、南アフリカなどを訪問。平成3年下川へ。7年から北町でレストラン「モレーナ」経営。14年2月から4月までオーストラリアのタスマニア島(州)を自転車旅行。同島は北海道とほぼ同じ面積。旅行記は同島に近い小さなフリンダース島から始まる。

[ 2004-02-22-17:50 ]
 
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2004年2月

第1回「旅先で知り合い食事」
第2回「大魚に戦いを挑む」
第3回「村に1軒のレストラン」
第4回「友人と別れ、また一人旅」
第5回「冒険小説そっくりの船」
第6回「イースターで大移動」
第7回「シドニーの肉食文化」
第8回「ジュディとの再会」
第9回「海を見下ろす丘の家」
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