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2003年12月29日付

村に1軒のレストラン

第3回

 3月26日 晴25度
 ジェイクとヘイゼルが山に登って戻って来た。魚を見せると「ウワーすごいね、その魚すごくおいしいよ」とヘイゼルが教えてくれた。
 これからテントをたたんで、レデイバロンへ行ってキャンプするという。私は一緒に行く事にした。一日早く行けば、船に乗り遅れる心配はない。時間は夕方の6時頃だった。すぐにテントをたたみ、パッキングした。
 魚はビニールの袋に入れ、サイドバックのポケットに何とか押し込んだ。私達はすぐに出発した。
 彼らのジープは乗ってみると、まさしく博物館にふさわしいもので、動くのが不思議なくらいだった。エンジンが、こんなにタフじゃなかったら、とっくにクタばっていただろう。サイドミラーは、とっくになくなり、ワイパーはとっくにモーターがいかれ、手で動かせるように改造されていた。
 走る前にオイルの点検を必ずする。エンジンが古いからやたらにオイル上がりするためだ。故障も多いしメカに強くないと、とても使えないジープだという。もちろん彼らは自分で修理している。 
 「でも、私はこのオールドカーが好きなの」とヘイゼルが言いジェイクが笑った。私もこんな車が好きだ。
 日が暮れる前にレデイバロンのキャンプ地に着いた。テントを設営し、荷物を中に入れてから、一緒にレデイバロンのボトルショップで食事した。
 村に一軒だけあるボトルショップは、パブとレストランと宿を兼ねている。ちょっと場違いな高級そうなそのレストラン。中に入ると客にジロジロ見られた。地元の人間じゃなくて、飛行機でやってきたどこかのツーリストたちらしかった。
 土地の人間は気さくで、そんなふうじゃないのだ。ちょっといやな感じを抱きつつ彼らを見返しながらテーブルに着いた。
 ホステスは、地元の娘でいい感じだった。私は、ロースト・ラムを注文、ジェイクはビーフステーキ、ハイゼルは玉子料理とサラダを食べた。
 日本の倍くらいある大きな皿に、大きなロースト・ラム(ステーキくらい)が2枚とサラダとチップスが山のように盛ってあった。これでたった13ドル(900円)だった。
 食べ物はおいしくて、安い。そして気候も人間も良い。まったくうれしくなってしまう。ビールを飲みながら、料理を待ち、食事の終わったあとは紅茶を飲んで引きあげた。デザートはホームメイドのアイスクリームやチョコレートブラウニがあったけど、おなかがいっぱいでとても、食べれやしないのであきらめた。
 ごくたまに、彼らもレストランを利用するけど、ほとんどはキャンプ地で自炊しているという。料理する方が楽しいと言う。私は釣った魚を彼らにあげた。とてもうれしそうだった。

(写真=町外れにあるキャンプ場の夕暮れ)

著 者 紹 介
 栗岩英彦さん(59)の「オーストラリア自転車の旅・パートU」をシリーズで掲載します。栗岩さんは長野県出身。東京農大卒。会社員生活のあと「世界一周の旅」を目指しインド、アフリカ、アフガニスタン、パキスタン、ヨーロッパ、南アフリカなどを訪問。平成3年下川へ。7年から北町でレストラン「モレーナ」経営。14年2月から4月までオーストラリアのタスマニア島(州)を自転車旅行。同島は北海道とほぼ同じ面積。旅行記は同島に近い小さなフリンダース島から始まる。

[ 2003-12-28-17:00 ]
 
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2003年12月

第1回「旅先で知り合い食事」
第2回「大魚に戦いを挑む」
第3回「村に1軒のレストラン」
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