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2005年5月9日付


森の癒しで起業を決意

番外編

 今回は編集部からの提案で、私自身の現在について報告させていただこうと思う。

 6年と1カ月。短かったのか長かったのか今の私には分からない。1999年4月から勤めてきた下川町役場を4月30日付で退職した。

 この連載のテーマでもある森の癒しを一つの柱としてNPO法人で起業する。森、自然と切り離されて暮らす現代の人々に、まずは癒しをテーマとした観光で森に親しんでもらうため、良き相談役、案内役になれればと思う。

 癒しを入り口に、人間も含めた地球全体の健康、持続可能性についても思いを馳せてくれるはずだ。

 東京からのツアーが年々増えている。今年も7月、8月、9月とツアーの話が進んでいる。うれしいことだが、参加してくださった方々が東京に戻った後のことを心配してしまう。森の効能は関わり続けなければ得られないからだ。

 そこで、医療機関とも連携しながら東京近郊の森へと誘う仕組みも準備している。週に一度でも月に一度でも森を歩いてセルフケアに役立ててほしい。

 それでも森に行けない日々の方が圧倒的だろう。そんな日常をよりよく暮らすために、健康と環境に配慮した商品を厳選し、紹介していきたい。そうした商品を日常生活に取り入れることで、自分にとっても地球にとっても、そして山村にとっても健康で持続可能なライフスタイルへの道がひらけていく。

 下川町森林組合が生産している「HOKKAIDOもみの木」シリーズのエッセンシャルオイルは象徴的な商品だ。トドマツの葉から抽出された精油には体に良いと言われている成分が含まれていて、健康に配慮した製品として一級品であると同時に、FSCという国際的な第三者認証機関から環境に配慮した森林経営だとお墨付きをもらった森林からの産物でもあり、環境に配慮した製品としても超一流だ。

 最近フェアトレードが広まりつつある。アジア、アフリカ、中南米などの農村地域や都市のスラムなどに暮らす人々が生産した商品に対し、公正な対価を支払い貿易を行うことで、持続可能な仕事の機会を提供する活動だ。グローバルに考え、グローバルに行動する、とても素晴らしい取り組みだと思う。

 私はこのフェアトレードを日本の都市と山村との間で行いたい。地球温暖化や戦争、貧困といったグローバルな問題を解決していくために、日本の山村から、北海道の下川町から始めたい。地球規模で考え、地域単位で行動する…私が研究し続けている内発的発展論の原則だ。

 だからこそ私は故郷を捨て、懐かしい顔も笑い声もすべてを捨ててここで生きている。

 私は愛知県の名古屋市で生まれ育った。海の近く…でもそこには自然の川も砂浜もなかった。代わりにコンクリートで固められた運河と埠頭が20世紀を象徴していた。空気は悪く公害指定地域で小学校は外気を遮断するため冷暖房完備だった。

 そんな私が北海道へ渡り、下川と出会った。酒屋、集成材工場でバイトをしながら2カ月間滞在し、修士論文を書いた。役場に就職した。ミズナラの巨木のもとで結婚した。新婚旅行は森の癒しを巡りにドイツとフランスへ行った。地球規模で考え、地域単位で行動することを突き詰めて考えた結果、役場を辞め起業する道を選んだ。

 でも独り立つ「独立」ではなく、引かれ合う多くの人々と共に「共立」できればと思う。その先にはお互いの個性を尊重しながら働く、「協働」を実現したい。「森の生活」を送りながら…今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 筆者の最新情報は、http://blog.livedoor.jp/forest_concierge/

(写真=下川町「矢文千古の森」にて)

[ 2005-05-08-19:00 ]

 
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2005年4月

第1回「ドイツと言えば」
第2回「寒さで緯度の高さ実感」
第3回「クアパークを歩く」
第4回「クアハウスにて」
第5回「ひとり、森へと向かう」
第6回「森と動物ハンティング」
第7回「森と共に生きる」
第8回「森林官と森を歩く」
第9回「市役所を訪問する」
第10回「療法で深く短い眠りに」
第11回「クナイプ療法を学ぶ」
第12回「興味津々クナイプグッズ」
第13回「再び、ドイツと言えば…」
第14回「ド・ゴール空港へ」
第15回「トロンセの森を歩く」
第16回「旅とホテルとビリヤード」
第17回「ヒゲ森林官の誇り」
番外編「森の癒しで起業を決意」

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