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2005年4月25日付


ヒゲ森林官の誇り

ドイツ-フランス編 第17回

 明日からはド・ゴール、ミュンヘン、成田と空港を渡り鳥。なので今日がこの視察研修の実質的な最終日。

 午前中は、宿泊しているシャーテル・ギュイヨン郊外のプラド渓谷の森を散策。ここも国有林で人の良さそうなヒゲの森林官が案内してくれた。グリーンを基調としたジャケットとパンツ、森に携わる人間にぴったりな服装。もちろんネクタイはしていない。

 この森の面積は135ヘクタール、標高は550メートル前後、レクリエーションの森として設定されていて植物の多様性を大切にしている。簡単なアスレチックの遊具もあった。ここでも道しるべは木の表面を磨いてペンキで直接マーキング。

 フランスでは6歳から16歳までの10年間の義務教育の間、一貫して森林プログラムに取り組んでいるそうで、ちょうどこの日も小学生がイキイキと森の中を駆け回っていた。よく晴れた金曜日の午前、フランスの子供たちは森を駆け巡り、日本の子供たちは…。

 さらにいいなーと思ったのは、誰でも規則は知っているという前提があるので森の中にいちいち禁止事項を書くような野暮なことはしないそうだ。10年間の義務教育の間に徹底されるのだろうか。個人の自律した自己判断に重きを置くヨーロッパの伝統だろうか。

 森の中を見回るときは馬。粋だねぇ〜。トロンセの森にも乗馬用の道があったし森と馬との関係は深そう。でも森で連想するのは馬ではなくてオオカミらしい。フランス人にとって森はオオカミがいる怖いところというイメージが染み付いていて、狼男の発祥の地はフランスとの説がある。

 ところで、日本でもよく見るんだけど、木の表面についた銅の錆のような色をしたパリパリのコケのような、あるいはヒゲのようなものを指してヒゲの森林官はリケンヌと呼び、空気が清浄なことを示すと言っていた。妙に記憶に残っている。ちょっと疑っているからだ。ヒゲに誇りを持っているからヒゲのようなものを過大評価しているのでは…。

 フランス人と森との様々な関わりを聞きながらの気持ちの良い森歩きは軽快なペースで終え、昼食までの空き時間を利用して見晴らしの良い丘に行くことになった。

 テレビで見たことがあるようなヨーロッパの田舎の街並みを歩き、教会を過ぎ、丘の頂上に着くとそこは別世界。レンガ色の屋根と白壁に統一された街並みが眼下に広がる。彼方にはツール・ド・フランスの名舞台となるピレネー山脈を望む広大な風景。この旅で唯一観光気分を満喫した瞬間だった。

 午前の天気と同じく晴れ晴れとした時間を過ごした私たちだったが、午後は一転、暗雲立ち込めるバスツアーとなってしまった。

(写真=ヒゲの森林官)

[ 2005-04-24-19:00 ]
 
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2005年4月

第1回「ドイツと言えば」
第2回「寒さで緯度の高さ実感」
第3回「クアパークを歩く」
第4回「クアハウスにて」
第5回「ひとり、森へと向かう」
第6回「森と動物ハンティング」
第7回「森と共に生きる」
第8回「森林官と森を歩く」
第9回「市役所を訪問する」
第10回「療法で深く短い眠りに」
第11回「クナイプ療法を学ぶ」
第12回「興味津々クナイプグッズ」
第13回「再び、ドイツと言えば…」
第14回「ド・ゴール空港へ」
第15回「トロンセの森を歩く」
第16回「旅とホテルとビリヤード」
第17回「ヒゲ森林官の誇り」

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