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2005年4月4日付


トロンセの森を歩く

ドイツ-フランス編 第15回

 フランスでの朝食は、パン数種類とホテルでよく見る使い切りのジャム数種類、市販のヨーグルトなどを自分で席に持ってきて、コーヒーか紅茶が運ばれてくる。夕食はフランス、朝食はドイツに軍配が上がった。

 8時にホテルを出発して2時間のバス移動。トロンセの森へと向かう。広大な草原地帯を北へと高速で駆け抜ける。

 トロンセの森は国有林で、旅のしおりによると、1万954ヘクタールの広さを有し、破壊と再生の歴史を繰り返しながら1832年に保護策が講じられたそうだ。1928年以降は、650ヘクタールに及ぶ古い森の6つの森林区がそれから先の225年後を見通して開発されているとのこと。

 この森は良質なワイン樽に使うナラカシ(ミズナラの仲間)の生産地として名高いそうで、針葉樹の人工林のように真っ直ぐ育てられたナラカシの自然林はカルチャーショックだった。ワイン樽にはナラカシという伝統・文化と結びついた森づくり。需要と供給。計画性と継続性。知識と技術。いろんな言葉が頭を巡る。

 自然に生えてくる1ヘクタールあたり50万本の密度から、真っ直ぐな木を選んで残し150年後には100本に減らしていくという。そのナラカシにはペドンキュレとセシルの2種類があり、葉の形やドングリのつき方に違いがあった。その名前の響きからは、ペドンキュレが天才肌のお兄さんでセシルはおしとやかな妹といった印象を受けた。実際にそんな物語があったりして。

 説明をして一緒に歩いてくれたのは、この森に関わっているアソシエーションのメンバーでロマンス・グレーの髪と白いヒゲが粋な初老の男性。アソシエーションとは日本で言う市民団体・NPOのことで、遊歩道の整備は国の森林局ではなく、アソシエーションが行っているそうだ。

 この遊歩道の標識が特徴的だった。分岐点に立つ木の樹皮に塗料で番号などをマーキングするだけなのだ。森の中へなるべく人工物を持ち込まない配慮からだろうか?予算の節約からだろうか?いずれにせよ参考になる事例だった。中には乗馬用の遊歩道もあり、目印は馬の首から上の形をしたマークだ。

 遊歩道は森林療法のフィールドとして整備、利用されているわけではないが、国で森林ツーリズムを発達させようとしているらしい。森林ガイドは昔は無料だったが今は有料とのことで、日本もこうした流れになっていくだろう。

 樹齢300年を超える巨木や伝説の泉にも案内され、いろいろと見所の多い森だった。妻は園芸種のアイビーのそっくりさんを見つけたり、クリスマスの飾り付けでよく見るトゲトゲの葉と赤い実を見つけて大喜び。楽しい森でもあった。

 笹がなく下草も濃くない。起伏はほとんどなく平坦で歩きやすい。爽やかな森でもあった。生活習慣病などカラダの病以上にうつ病などココロの病に向いているのかもしれない。一人で安心して歩ける、こんな森が近くに欲しい。

下川の森林療法の最新情報は、http://yaplog.jp/forest-therapy

(写真=ワイン樽への生き残りを競うナラカシたち)

[ 2005-04-03-19:00 ]
 
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2005年4月

第1回「ドイツと言えば」
第2回「寒さで緯度の高さ実感」
第3回「クアパークを歩く」
第4回「クアハウスにて」
第5回「ひとり、森へと向かう」
第6回「森と動物ハンティング」
第7回「森と共に生きる」
第8回「森林官と森を歩く」
第9回「市役所を訪問する」
第10回「療法で深く短い眠りに」
第11回「クナイプ療法を学ぶ」
第12回「興味津々クナイプグッズ」
第13回「再び、ドイツと言えば…」
第14回「ド・ゴール空港へ」
第15回「トロンセの森を歩く」

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