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2005年1月17日付

森と共に生きる

ドイツ-フランス編 第7回

  早いものであれから3カ月が経とうとしている。今思う一番の収穫は、ハンティング協会の面々との出会いだ。しばらくすれば、また別なことを言っているかもしれないが、今はそう思う。森林療法の視察研修に行ったのにハンティングかよ!って言うじゃない?でも、話はちゃんとつながりますから、残念!

  『木と森の快適さを科学する』という本がある。森林総合研究所の宮崎良文さんの著書だ。その本の序章にこんなことが書いてある。

  人間は人間になってから500万年の間、自然環境の中で生きてきた。産業革命以降を都市化とした場合、99.99%以上を自然の中で過ごしたことになる。さらに、人類が霊長類の仲間として森に住み始めたのは約6000万年前のこと。人間はサルの性質を引きずってきているが、緑の中で暮らすと心が安らぎ落ち着くという性質が、遺伝子の中に組み込まれたのではないか。自然環境に適応した我々の体が急激な都市化に伴う人工環境に適応できず、常に緊張を強いられるストレス状態にあることは論を待たない。(以上、筆者要約)

  そして、終章にはこう書いてある。「木材由来の刺激が不快であると感じるケースも当然、生じるが、その場合にも生体はストレス反応を生じないことが生理測定から明らかとなった」と。

  つまりこうだ。私たちの体は遺伝子レベルで森との生活を記憶している。頭では森や木の肌触りが嫌だと思っていても、体は、生理反応は、森や木と同調している。人が人らしく健康的に暮らすには、森とともに暮らすのがいい。森で過ごす時間が長ければ長いほどいい。森を歩き、野草や果実を摘み、狩りをし、食べ、寝る。そうやって人類は暮らしてきた。現代の生活はあまりにも森と切り離されている。不健康になるのも当然だ。

  ハンティング協会の一人は言っていた。「人に飼われた家畜は何を食べさせられているか分かったもんじゃない。その点、森に暮らす動物たちは自然の中で自然のものを食べて暮らしている。どっちの肉が我々の健康にとっていいか、はっきりしているじゃないか」と。誰も返す言葉がなかった。

  森と切り離された、生態系と切り離された現代人の生活を、森へ、生態系へと埋め戻すことが、人間の健康にとっても地球の健康にとっても一番の解決法なのだ。森林療法は、健康というキーワードから森との関係を回復する一つのきっかけに過ぎない。森・生態系と関わり続けるハンティング協会の面々に、懐かしい未来を見た。森と共に生きる術(すべ)をこの手に取り戻さなければと思う。

  森と共に生きる扉を開くこと、それが森林療法なのではないだろうか。

(写真=ハンティング協会お手製の狩り小屋)

[ 2005-01-16-19:00 ]
 
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2004年12月

第1回「ドイツと言えば」
第2回「寒さで緯度の高さ実感」
第3回「クアパークを歩く」
第4回「クアハウスにて」
第5回「ひとり、森へと向かう」
第6回「森と動物ハンティング」
第7回「森と共に生きる

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