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2004年12月27日付

森と動物ハンティング

ドイツ-フランス編 第6回

 森の中を進むと街中にもあった水療法のための水踏みプールと腕浴水槽が落ち葉の中にたたずんでいた。地図を確認するとあちこちにマークが付いている。ウォーキングと組み合わせることにより、そして自然空間で行うことにより、さらに効果が増すということだろうか。

 「野生動物に親しむ週間」プログラムへの参加時刻が迫ってきたので、このまま歩き続けたい衝動をこらえて、宿へ戻ることにする。

 途中、ドイツ人の老婦人2人組に道を聞かれた。「えぇ〜!?明らかに東洋人の俺に聞くぅ?」と内心思ったが、地図を片手に歩いていたのを見ていたのだろう。なんとか地図を指差して教えることができた、と思う。さらに迷っていたりして。

 道を聞かれることが多い気がする。学生の頃、ロンゲに茶髪、おまけにサングラスをしてかなり怪しい風貌で歩いていたにもかかわらず、道を聞かれた。道を聞かれるか聞かれないかと容姿との相関は薄いのだろうか。

 宿エミリエに着くとまだ講義の途中だった。エミリエのシェフ、フェントさんが案内してくれるようだ。時間が押しているらしく、そわそわしている。緑色のフェルトのコートに皮のパンツ、帽子というクールな出で立ち。

 講義が終わり外へ出る。クアパークの方角へ歩き出す。歩き出してようやく分かったのだが、フェントさんが案内するわけではなく、プログラムの集合場所まで連れて行ってくれるようだ。この旅では動き出してから判明する事実が多い。

 しばらく歩くとそれらしき人の集まりが見えてきた。結構な人数だ。20人ぐらいいただろうか。聞けば、このプログラムは地元のハンティング協会の人々によるボランティア活動の一環とのこと。フェントさんもその一員というわけだ。緑のフェルト地の三角帽をかぶった協会のメンバーが説明をしている。杖を持った長老らしき人もいる。ファンタジーの世界に出てきそうな服装だ。目が合うと愛くるしい笑顔をくれた。こちらも微笑み返す。

 彼らによると、狩をさせてもらうだけではなく、森を守ることもやっているとのことで「ただ楽しむだけの狩じゃない」と誇らしげに語っていた。今日は、彼らが日ごろ活動している森を案内する普及啓発活動という位置づけのようだ。日本の森林ボランティアの役割をドイツではハンティング協会が担っているということだろうか。森林NPOに関わっている身としては、非常に興味深い。

 一番印象に残っているのは、シカのための餌場だ。冬場、餌がなくなるとシカが木の皮を剥いで食べるのはドイツも同じで、樹木へのダメージを軽減するために、時期を限って干草や藁、時にはビタミン源も餌場に供給するそうだ。そうしなければシカの生息環境である森林が劣化し、シカも減り狩もできなくなる、という長期的なビジョンがあっての戦略的な行動であろう。彼らは森と野生動物とハンティングを持続可能な形で未来へつなぐ、高度な生態系管理の担い手なのだ。

(写真=誇り高きハンティング協会の面々)

[ 2004-12-26-19:00 ]
 
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2004年12月

第1回「ドイツと言えば」
第2回「寒さで緯度の高さ実感」
第3回「クアパークを歩く」
第4回「クアハウスにて」
第5回「ひとり、森へと向かう」
第6回「森と動物ハンティング」

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