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2004年11月29日付

クアパークを歩く

ドイツ-フランス編 第3回

 宿から提供された地図によるとクアパークとやらがすぐ近くにあるようだ。どんな公園だろう?案内標識を頼りに歩くと、ほどなく入口に着く。思っていたより近い。距離感がつかめてくる。

 きれいに芝が刈り込んである。歩道はアスファルトではなく、粒の大きな砂を固めたような感じ。芝と歩道との間は切れ目がなくフラット。芝と歩道とのこの関係は公園の中だけではなく、両者の約束事のように歩いた道で共通していた。

 雨が降ってきたので、レインスーツを着る。完全装備で歩き出すとビオトープらしきものが目に入ってきた。下川の五味温泉奥にあるワイルドなそれにくらべると、よく飼いならされたささやかな生態系だ。

 しばらく歩くと、鳩が出入りする小屋があり、その脇にはさまざまな種類の鶏が放し飼いにされているスペース。鳩と鶏が同居しているようだ。クアパークで飼っているということは、アニマルセラピーと何か関係しているのだろうか?池にはカモもいて、餌を求めて近づいてくる。いずれにせよ、生き物は大切にされているようだ。

 公園の端に出ると、青々とした草地を緩やかなカーブを描きながら森へと続く道が待っていた。この連載の第1回で使った写真がそうだ。「歩きたい」そう思わせるアプローチ。大地のリズムが浮かび上がってきたかのようなうねりが私の心を森へといざなう。だが今は時間に余裕がない。ドイツまで来て時間の奴隷とは悲しいが、また後で来よう。

 このうねりが私の記憶を呼び起こす。アウトバーンを走る車内でのこんな説明を思い出す。「ドイツのアウトバーンは緩やかなカーブが連続していて、まっすぐな区間が続くことはない、これは人間工学に基づくものだ」。確かにずっと真っ直ぐな道はスピードもついつい出してしまうし、集中力が続かないし、危険だよなぁと納得したのを覚えている。

 森林療法の道は、真っ直ぐでは駄目だ。常々そう思っていたが、ドイツに来て「そもそも道というものは曲がっているものだ」と諭されたように感じる。「それはごくあたりまえのことなんだよ」と。

 自然の川まで排水溝のように直線化してしまうような現実にさらされて生きてきたせいか、本来ならあたりまえのことを特別に思ってしまう。次の世代には、当たり前のことを当たり前に伝えることのできる世の中にしたいと、強く思う。

 踵を返し、クアパークを再び歩くと、足跡の絵が描いてある看板が見えてきた。その下には芝生のスペース。クナイプ療法の一つに露踏みというのがある、ということを本で読んで知っていたので「きっとこれがそうだ、間違いない!」と指差し確認。朝露の降りる芝生の上を素足で歩き、精神と肉体に大きな活力を与える療法だそうだ。牧草地、芝生さえあればどこでもできる。ただ、「足が冷えたままの状態ではしないように」というような注意点があり、どこでもできるが、誰でもできるというわけではないようだ。

 他には、ローズガーデンやハーブガーデンを歩き、クアパークを後にした。次はクアハウスを目指そう。

(写真=クナイプ療法の散策路を案内する標識)

[ 2004-11-28-19:00 ]
 
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2004年11月

第1回「ドイツと言えば」
第2回「寒さで緯度の高さ実感」
第3回「クアパークを歩く」

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