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日ごろ何かとお世話になっている住職さんに、「多逢聖因」(たほうしょういん)という話を聞く機会があった。「地蔵本願経」という経典にこの言葉が出てくるそうだ。多逢は多く逢う。聖因は、それが良い出会いであれば、それが原因でいい結果を生み、悪い出会いであれば、それが原因で悪い結果を生む。したがって善い人、優れた人と付き合うことを心掛けるべきだとの教え▲これと似た話に、徳川家の武芸指南役を勤めた柳生家にも、人との出会いを大切にするようにとの家訓があったそうだ。それは「小才は、縁に出会い縁に気づかず、中才は縁に気づいて縁を生かさず、大才は袖すりあうた縁をも生かす」。つまり日常触れ合う人々との出会いの中に学ぶもの多く、人との触れ合いをより大切にせよ―との教え▲さもありなんと思われるが、しょせんは煩悩の世界―喜怒哀楽・憎悪・嫉妬(しっと)などなど、人間の世界は厄介なもの。その中で閑古子は「短い人生の中で、最も楽しいことは、自分の心の波長と合う人との出会いだ」とした京セラの創業者・稲盛和夫さんの言葉に共鳴し、実感として受け止めている▲人々との出会いは、これからも続くことであろうが、心の波長と合う人との出会いを楽しみにして生きたいと思う。
[ 2008-11-14-19:00 ]
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