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 長引く景気低迷、過疎化、都市部への消費流出、消費者志向の変化、郊外型大型店の進出―。長年「町の顔」として親しまれた各地の商店街は、購買力が低下し、厳しい状況にある。行政や商工業界では、この状況をなんとか変えようと、商業施行策に取り組んでいるが、現実は厳しく、なかなか結果に結びついていない。各地の状況を紹介するとともに、今後の商業振興について考えたい。

 消費の流出は、玉突き状態。周辺町村は近隣の中核都市、中核都市は大都市へ。近年は、中核都市への大型店進出が相次ぐ。見方を変えると、周辺町村から中核都市へ来る人は大型店に足が向き、さらにそこから大都市に消費が流れることを考えると、一番のダメージは中核都市と言える。
 この状況の中、名寄市、美深町、風連町は中心市街地活性化事業に着手。基本計画を策定。さらに名寄市は名寄商工会議所がTMOを担い、風連町は商工業者と行政の出資による、第3セクターでTMOを設立する。下川町は独自の事業で商業振興を図る。
 景気低迷、市町村合併など、先の見えない中での商業振興は難しいが、商業者のやる気が重要ということは、取り組みこそ違うが共通している。

TMO構想を見直し 名寄は事業の取捨選択模索
 名寄市は、管内でも早く中心市街地活性化事業に着手してきた。行政を中心に基本計画を策定。その後、商業者が組織を作り、TMO構想策定に入った。平成12年度のことだ。
 だが、名寄の商業環境は大きく変化した。郊外型大型ショッピングセンター進出で、既存商店街の購買力は大きくダウン。客の流れが変わり、売り上げも減少した。
 TMO組織は、名寄商工会議所が受け皿になり、TMOの役割を担っている。だが、刻一刻と変わる状況に、当初立てた構想は、現状になじまなくなってしまった。
 この状況を受けて、14年度にTMO推進委員会(中島常安委員長)を設置し、構想の抜本的な見直しを始めた。
 名寄商工会議所の青山義和事務局長は「現状に合ったTMO構想をと、推進委員会を立ち上げたが、実際には、元の計画の策定背景などがつかめず、意見を求めてもなかなか出ず、実質的には見直しに至っていないのが現状」と。
 名寄市の場合、南5丁目通りのアーケードと歩道整備、ポイントカード事業などが、中心市街地活性化事業の採択を受けた経緯がある。しかし、これが「補助金ありきの取り組み」の考えに結びつき、TMO事業や中心市街地活性化事業を鈍らせている一因になっている―との指摘もある。
 青山事務局長は「本当にTMO事業を推進するならば、商工会議所が担うのではなく、独立した組織にすべき。そうしなければ、関連する団体の足かせが多く、事業は推進されないのでは。厳しい状況だが、商業者のやる気に期待したいところ」と。
 市町村合併は、名寄市も同様の課題。商工業にも変化が出る。「現状では、市町村合併を踏まえた商工業振興について、本格的な議論していない。現在進められている市町村合併の方向が具体化した段階で、関係者を交え、中心市街地の位置付けを含めて、対策を考えたい」と青山事務局長は話す。
町支援で再び活気を 下川は独自の取り組みで努力
 下川町の商店街活性化事業で最大の取り組みは、平成九年度から13年度までに行われた店舗近代化事業。
下川商工会(夏野俊一会長)が、7年度に「下川町商店街近代化推進委員会」を設置。これを受けて町は、9年度から13年度までの時限立法で「下川町商業振興店舗近代化促進条例」を制定した。
 店舗の新築、改築に対し工費の2分の1以内、最高1500万円を限度に町費で補助。5年間の取り組みによって33軒の店舗が新築・改築された。それまで、築数十年の古い店舗が多かった商店街の印象が一変した。
 補助対象事業費は5億8200万円。そのうち町費補助総額は2億5700万円。補助対象以外の関連事業を含めた総体事業費は8億5800万円となり、建設業界への経済的波及効果も相当なもの。
 商工会では現在、旭町の空き店舗を活用した複合施設を検討中。町民が買い物を楽しみ、憩いの場となる「癒しの空間」づくり。当初は公衆浴場などを備えた本格的な施設も検討したが、経済情勢の変化も考慮。商店街の有志や農家などが自由に出店でき、消費者にも喜ばれる新たなサービス施設としたい考えと、川上浩二同商工会経営指導員は説明する。
状況厳しく進展停滞 美深は連携強化し活性化へ
 美深町は、中心市街地活性化事業に着手することを決め、町が、基本計画を策定した。
基本計画は平成13年度に策定。基本計画に連動して商業振興を進める、TMO設置の実現化に向けた内容が盛り込まれている。
 14年9月に美深町商工会内にTMO検討委員会(白井健二委員長)が組織された。委員は7人で、統括するのは稲越延嘉同商工会副会長。これに、町の担当職員2人がオブザーバーとして加わっている。昨年までに計四回の委員会を開催して協議を進めてきた。
 計画案について、美深町商工会TMO検討委員会事務局の鉢呂信一さんは「みんな活2(いきいき)まちづくり〜自律・協働のまち〃びふか〃」を基本テーマに、『市街地再生の必要性』『市街地整備改善や商業活性化の一体的な推進』などを柱とした事業内容となっています。しかし、計画策定当時とは大きく状況が変化し、財政が厳しさを増しています。この状況を受けて、私たちは現在、計画案を練り直している最中です。この中にはTMOに関連する事業も含まれているため、再度、委員会でも内容を検討しています」と。
 美深町内では、13年に、町内商店街を対象に、町の財政支援を受け、改築・新築費用を補助する店舗近代化事業をスタートさせ、活性化に向けて取り組んできた。
 しかし、地域形成は、大きな変化を見せようとしている。現在、新たな合併枠組みを模索。その将来構想によっては、商業振興も大きく様変わりする。「市町村合併問題や近隣への大型店進出、後継者不足など、課題多いため、TMO設置に向けた動きも思うように進まないのが現状です。TMO設置に向けた検討は先が見えない状況ですが、今後も合併問題などにあまりとらわれず、商工会員と連携を図りながら、明るい商店街づくりに努力していきたいです」と鉢呂さんは説明する。
3セクでTMO設立 風連は活性化へ大きく前進
 風連町も名寄市、美深町と同様、中心市街地活性化事業に取り組む。本年度、基本計画をまとめ、道に提出した。その一方で、風連町商工会(富永紀治会長)を中心に、中心市街地活性化、TMOについて研究する組織を立ち上げ、対応を検討。本年度、TMO組織設立を決めた。資本金1000万円で、風連町から50%の500万円の出資を受け、第3セクター方式で立ち上げる。管内でも最も大きく動いていると言えるだろう。
 風連町の場合、名寄市、士別市の両市に挟まれ、消費流出は商業者の大きな問題になっている。その状況をみて、なんとか町の顔を守ろうと、商工会、商工業協同組合(小田桐修一理事長)が連携し、本町地区を中心に大規模な商業振興事業を15年秋から始めた。このほか、町内では商工業有志が喫茶店を出し、組織をNPO化、女性グループの喫茶店出店など、活気が出て、良い効果につながっている。
 富永会長は「商業振興は、商業者の熱意が重要。商業を活性化させて自らの経営も良くしたいなどの思いがなければならない。従来の商業振興のように、行政が前面に出ては、効果が薄れてしまうのではないか。TMOについても、出資者の行政からも意見を聞くが、欲を言えば、商工関連団体、行政を動かすてこのような団体になってもらいたい。だが、当初と計画が変わったので、一部内容やスケジュールを変えて取り組む必要が出てくるだろう」と。
 今後について「市町村合併は避けては通れない。ならば、合併してもさびれることのない風連の顔を作りたい。この地に住む人が困らずに買い物でき、生活ができる。そういう商店街になってほしい。そのためにも、風連の商店街を守り、さらに発展できるようにしたい」と、合併後も、中核に消費が流出せず、多くの人がにぎわう商業環境づくりの必要性を語った。

[ 2004-02-15-22:00 ]
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