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 授業参観などで交流

 平成13年度末に閉校した名寄恵陵高校の生徒が、総合的な学習の一環でカンボジアに小学校の校舎を建設する活動を展開し、13年4月に現地に校舎が完成した。
 これまで治安の問題などで活動に携わった生徒は現地を訪問することができなかったが、学習を担当した工藤正人教諭(現・仁木商業高校教諭)が1月に現地を訪問。工藤教諭から本社に、この時の様子を報告する手紙と写真が届いた。

(写真=閉校した恵陵高のKSBCメンバーが建てた、小学校の校舎)

 

 13年度末に閉校が決まっていた同校は、12年度から生徒募集を停止。2、3年生だけとなった同校では、12年度から総合的な学習を取り入れ、哲学や心理学、保育、ファッション、音楽を研究するなど、縦割り17グループに分かれ活動した。
 その一つに校舎がなく屋外で学習するなど、環境の整っていない学校が多くあるカンボジアに、校舎を建てることを目標とした学習「KSBC」(Keiryo School Building Club)があった。活動には閉校する恵陵高校の名前を残したいという願いも込められていた初期のメンバーは、12年度末に卒業した谷口梢さんと宮越波瑠奈さん、真鍋美佳さん、三谷有祐美さん。
 校舎を建設費用は、カンボジアで学校を建てる活動を展開しているNGO団体「ジャパン・リリーフ・フォー・カンボジア」(本部・東京)へ建設費用を送ると、世界銀行から同額の補助金を得ることができるため目標金額を156万円とした。
 4人は建設費用を集めるために募金箱設置や街頭募金活動を行ったほか、学校祭では益金を建設費に充てる模擬店を出店。また、カンボジアの地理や言語、歴史、現状も調査した。そこで、メンバーの活動に賛同する多くの市民や道内各地の同校に縁のある人などから善意が寄せられ、164万7827円が集まった。
 建設地はカンボジア東部のコンポンチャム州プレイチョホール地区。当初は13年6月に完成の予定だったが、建設工事が早く進み、2カ月早い4月に「The Nayoro Keiryo小学校(小学校はカンボジア語で表記)」が完成した。
 同校では、メンバーの4人が卒業したことから、4人の活動に影響を受けた、13年度卒業の宮澤理恵さんと鈴木亜美さんが引き継いだ。2人は校章のデザインや、より勉強しやすい環境づくりを願って、かばんや文房具など家庭で使われなくなった学用品を集める活動を展開。
 同校の閉校に合わせてメンバーらが現地を訪問し、開校式などを行うこととしていたが、アメリカで起きた同時多発テロなどの影響で治安に不安があったり、同校卒業後に進学、就職していたメンバーの都合がなかなか合わず、訪問は延期されてきた。
 しかし今回、KSBCの学習を担当した工藤教諭が現地を訪問した。
 現地では、児童のほか、地元住民や州の教育期間と政府の関係者ら2000人に迎えられ、カンボジア政府と日本の文部科学省にあたる文部青年スポーツ省から勲章と感謝状が贈呈された。贈呈式では低学年の女子児童が伝統舞踊で歓迎。コンポンチャム州教育庁と文部青年スポーツ省副大臣のあいさつがあり、工藤教諭も「ケイリョウ小学校の皆さん、自分の夢を見つけてください。そして一生懸命この学校で勉強し、夢をかなえてください。ケイリョウ小学校を夢がかなえられる学校にしてください」とメンバーから預かったメッセージを伝えた。

伝統舞踊での歓迎も受けた 恵陵高生が作った「こいのぼり」を贈った工藤教諭
真剣なまなざしの授業風景 ケイリョウ小学校に通う子供たち
 工藤教諭が本社に寄せた手紙の一部は、以下の通りです。
  「現在200人の児童がケイリョウ小学校で学んでいます。 学年は4学年あり、教員は4人います。教員はすべて女性で恵陵高校との縁を感じてしまいました。
  校舎ができてから学校へ通う子供が急激に増加し、多くの子供たちが学習する機会を得ることができたそうです。州の教育庁が備品管理を定期的にしっかりと行っているそうです。
  ただし、日本の学校と比較すると職員室も設置されておらず、視聴覚機器なども全くない状態であります。さらなる支援の必要性があると思いました。
  ケイリョウ小学校の児童たちは大変明るく、日本の子供たち以上に元気な印象を受けました。
  今回はセレモニーが予定以上に時間をオーバーしたため、生徒と触れ合う時間は思っていたよりも少ないものとなりましたが、学校での様子は授業参観や一緒に歌を歌うことで、十分感じることができました。
  『大きな栗の木の下で』を日本語で歌いましたが、こちらのジェスチャーを一生懸命まねしてくれたのがうれしかったし、感動しました。授業は2クラスを参観いたしましたが、とにかく元気ですし、生き生きと学んでいる姿は印象的でした。
  帰るときも車を追って走ってくる児童が多く、次回はKSBCの生徒たちがこの児童と触れ合い、自分たちのプロジェクトの成果をじかに感じてほしい―と強く願うようになりました。
  また、多くの方からお寄せいただいた文房具やかばんなども校長先生へじかにお渡ししました。個人への配布ではなく、学校備品のような形で使っていただければと思っています。

 現地では、予想をはるかに上回る多くの人々が歓迎してくれましたが、やはり心のどこかに寂しさを感じて戻ってきました。主役がまだ足を運んでいないからです。
  KSBCで活動した生徒たちは今、学校に通い自分の夢を必死に追いかけていますし、就職した生徒は毎日一生懸命に働いています。そういった中で彼女たちは『いつかカンボジアに』という気持ちを持っているようです。そのときに私たちKSBCの活動は本当の意味で目的を達成したと言えるのではないでしょうか。 この小学校を見て、名寄をはじめ全道の皆様からのご賛同あってこそ実現できたプロジェクトだったと改めて実感することができました。私たちはこれからもカンボジアにあるもう一つのケイリョウと交流し、お互いが幸せになることを目標に活動していきます。
  訪問まで時間がかかってしまいましたが、本当にありがとうございました」。

(写真=満面の笑顔が印象的なケイリョウ小学校の子供たち)

[ 2004-02-29-17:00 ]
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